三島光産株式会社
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2020年 社長年頭所信

投稿日:2020年01月01日

2020年 社長年頭所信

〈大競争時代の始まり〉
蓄えた力で、新時代を全員で切り拓こう!~ビジョンに向け、連携して挑戦し続ける~

 明けましておめでとうございます。旧年中、社内外の皆様方に頂いたご指導、ご協力に感謝申し上げます。

厳しい業績へ

減収減益、売上・利益予算未達

 足元の経済動向について。生産は2017年比で1割以上減少しています。米中貿易対立の影響や客先生産トラブルなどもあり、特に鉄鋼、半導体、自動車は一時期の勢いを失っています。人材確保に苦労する中、従業員数はこの2年で100人以上増員してきました。(400人入社、300人退社)

 しかしながら、社内ロスコスト(※1)を削減できていないことは反省項目です。

 一方で、2020年中期経営計画に向けて、種を蒔き、芽吹かせることも出来ています。これもひとえに、皆さま方のご協力、ご努力のお蔭であり、感謝致しております。多くの部門が3S(※2)を一層進化させ、多能工化に取組み、作業効率を改善させました。安全面でも、長年続けていた〝こわい/きつい/やりづらい作業〞について多数改善し、作業しやすい職場づくりも進みました。連携については、社内は勿論、グループ会社のMOASとシステム化や画像検査などでの協業も広がっています。将来に向けた案件に対する、チーム三島としての連動した動きも確実に広げています。各部門の取組について見ていきます。

【工程請負部門】減収減益、売上・利益共に予算未達

 化学品を除いて生産が下降傾向にある中、人材確保、定着で大変な苦労をしながらも、安定生産を継続できました。定着はきめ細かいフォローもあり、好転しつつあります。多能工化の更なる進展、グループ力を活かして手記入からの転記作業や、分かりづらい作業指示をシステム化で簡素化して、作業効率を下げないように努めました。繁忙期やライン停止時期には、課や部を超えて応援しあう文化が出来つつあります。

【自社製品部門】減収増益、予算売上未達・利益達成

 モールド事業は、一過性の案件があったものの、通常の業務量については、伸びていません。今後の生産動向も考慮し、製造現場の力を蓄えた北九州地区は、マザー工場としての拠点集約を始め、ロール製品については、より付加価値の高い製品群への挑戦を始めました。半導体事業は生産が減少する中、歩留まりや立上時間を向上させ、更には、トレーサビリティ(※3)、良品条件への即時反映を狙い、画像検査装置の挑戦を始めています。

【エンジニアリング/プラント部門】増収減益、予算売上達成・利益未達

 大型案件に挑戦しましたが管理不足で失敗させてしまいました。ただ、挑戦して更なる伸びシロが見えています。お客様からの期待も大きく、改善すべきことは行い、前を向いて進めて参ります。また、連携を継続して進めており、新規大企業から大型案件を受注しました。IoT(※4)分野での開発取組、お客様への提案等、楽しみな種を蒔いています。

 どの部門も後退することなく、体質を強化できました。皆様のご努力に改めて感謝申し上げます。

2020年の経営方針

 生産量の明るい見通しが少ない中、貿易戦争、資源価格の乱高下、採用難、働き方改革など、取り巻く環境も一層厳しい方向に変化しています。何より、自動車業界のCASE(※5)に代表される事業構造の大変革期にあります。自動車メーカー、系列部品メーカーの世界的再編が起こっており、発注形態も大きく変わりそうです。日本製鉄様は鉄源の海外生産決定に続き、国内製鉄所の更なる再編にも着手されます。三島光産グループとして、この変化に気づき、対応していかなければなりません。現場を熟知している我社が、より価値のある提案をしていかなければ、職場自体がなくなりかねないという危機感と責任感をしっかりと持ち、私達自身が成果を出していく必要があります。

 そのような認識の下、今年の経営スローガンとして、【〈大競争時代の始まり〉蓄えた力で、新時代を全員で切り拓こう!~ビジョンに向け、連携して挑戦し続ける~】と致しました。オリンピック需要が終わると、超高齢化社会+人口減の国内需要は一層厳しくなります。経験したことのない大競争時代が到来します。危機感を共有し、この数年間でしっかりと蓄えた力、IoT等の道具を存分に活かして生産性を上げること、連携して付加価値のある提案を行っていくことが大事です。腹を据えて、時代の荒波に真正面からぶつかっていき、皆で次の時代を切り拓いて参りましょう。

以下の3点について、強くリードしていきます。

1 安全・コンプライアンスを強化して、いきいきと働ける職場をつくります

 「リスクのない職場」の実現には至っておりません。ルールを守り守らせる規律、非定常作業(※6)の頻度定義を厳しくし、さらに洗い出す事が必要です。他社災害事例やヒヤリ、現状ルールの背景から学び、現場の声や本音を聞いて管理職も共感し、共に考えて対策を打つこと。事後の百策より事前の一策を心がけて参りましょう。

2 ビジョンに向けて、仕事の質とスピード、成果にこだわります

 求められる仕事の質も変わっています。挑戦することを恐れず、製造、技術、営業、間接サポート部門、それぞれが自分の事として対応していくこと、サポートし合うことが大事です。全員が趣旨を理解するよう丁寧に落とし込みを行い、より良い会社になるよう力を合わせ、成果を出すことに"わくわく"しながら取り組んで参りましょう。

3 チーム三島で基盤強化・事業連携・新事業開拓に取り組みます

 自職場で互いに助け合える多能工化を行い、次に組織の壁を超えて助け合うこと。さらにはお客様や社会の要望に対してチーム三島で付加価値の高い提案を実現しましょう。その為に、私をはじめ幹部が課題を認識し、現地現物で共に悩み、汗をかいて一体感を持ち、課題を解決していきます。皆で挑戦して、荒波を果敢に乗り越えていく新しい文化を築いて参りましょう。

結びに

 今年は生産量も減ります。ただ悲観的になるのではなく、この時期にしかできないことを実行して参ります。蓄えてきた力を発揮することは勿論、計画通りに新しい種も蒔いていきます。各種課題を克服していくには、大変な労力が必要で、皆の思いを結集させなければなりません。昨年のラグビーワールドカップ日本代表のように、ハードワークに裏付けされた献身的な連動的動き、チームや仲間に対するリスペクト、業務に誇りを持ち、自分の事をやり抜くこと。1人の100歩よりも全員で2歩、3歩前に進むことが大事です。その為には、上司や仲間と率直に相談し合える風通しの良い職場であることが大前提です。いきいきと働ける職場を作るべく、私自身もハラスメント撲滅活動等にも継続して力を入れて参ります。

 最後になりましたが、今年も皆さまと2025年に向けたビジョンに向け、私自身、先頭に立って取組みます。また、今年は2023年中期経営計画を策定する年でもあります。皆さんと体と頭を使い汗をかき、この難局を乗越え、家族や仲間に誇れる、お客様や社会に必要とされる、元気でやる気溢れる会社にして参りましょう。

 この一年が、皆様にとって健康で実りある年となりますよう祈念致します。ご安全に!

補足説明

※1 やり直し費用、高い不良率、低い定着率に起因する教育費用、アイドル時間など削減できるはずのもったいない費用
※2 整理・整頓・清掃
※3 完成品がどんな経路をたどって出来ているのか、過程を明確にすること
※4 Internet of things 身の回りのあらゆるものがインターネットに繋がる仕組み
※5 Connected(つながる車)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、EV:電動化の頭文字
※6 保守作業、トラブル対応など、頻度が少なく、定常的に行わない作業

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