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溶射

溶射技術は乾式法であるため廃液処理の問題はなく、現地でも適用できる表面改質技術の一つです。
溶射によるハードフェーシングは迅速肉盛補修、表面硬化処理技術として発達し、今では世界各国で航空・宇宙、医療等の最先端技術分野で幅広く使用されています。

溶射皮膜の種類

分類 材料種類 特性
メタル Ni 耐食性、耐熱性、補修肉盛り
NiCr 高温環境下での耐食性、耐酸化性、耐アルカリ性、耐熱性
Ni-Al-Mo 耐食性、低摩擦係数、加工性、使用温度目安:700℃以下
インコネル625 耐食性、耐熱性
Mo 耐摩耗性、耐摺動摩耗性、耐焼き付き性
SUS316L 耐食性、耐摩耗性
サーメット WC/Co 高硬度、耐摩耗性(500℃以下)
WC/CoCr 高靭性、耐摩耗性、耐食性(450℃以下)
Cr3C2/NiCr 高温環境下での耐摩耗性、使用温度目安:850℃以下
MoB/CoCr 耐摩耗性、耐食性、耐高温腐食性、耐溶融金属、高摺動特性
セラミック Al2O3ベース 耐熱性、耐アブレシブ摩耗性、耐高温摩耗性、耐すべり摩耗性 熱衝撃性、高温での化学的安定性
Y2O3ベース 高耐プラズマ性、最高使用温度1650℃
ZrO2ベース 断熱性、熱衝撃性、濡れ、耐高温粒子エロージョン性、耐酸化性
Cr2O3ベース 高硬度、耐摺動摩耗、固体潤滑性、鏡面仕上げ、耐食性 靭性が求められる所での耐摩耗性
TiO2 耐薬品性、耐摩耗性(500℃以下)

溶射の利点

  • ニーズに合わせた皮膜設計が可能
  • 寿命延長により、メンテナンス費用の低減が可能
  • 再生補修技術として部材のリサイクル化が可能
HVOF溶射

HVOF溶射

溶射の機能・目的

あらゆる摩耗に

  • 凝着摩耗 : 固体表面同士が接触して起こる摩耗
  • アブレシブ摩耗 : 摩擦面の硬さの違いによる引っかき摩耗
  • 疲労摩耗 : 摩擦が繰り返されて起こる疲労による摩耗
  • 摺動摩耗 : 高速回転などにより生じる摩耗

腐食や浸食、断熱に

  • 屋外構造物の発錆による腐食など
  • ガスや燃焼灰などによる高温腐食など
  • 燃焼室などの高温酸化や高温腐食など
  • 金属面温度上昇を防ぐ断熱など

溶射の特長

  • 鉄鋼・非鉄金属・セラミックス・プラスチックス等広範囲な種類の基材に溶射加工ができる
  • 部品の必要範囲だけ部分加工ができる
  • 基材に対し、熱影響による変形がなく、水素脆性の危険もない
  • 各種の機能を有する金属/合金、サーメット、セラミックスなどの幅広い材料選択が可能である
  • 皮膜内に生じる気孔は熱衝撃性の緩和や含油潤滑性を発揮する
  • 皮膜表面は、滑り止め粗面から、機械加工の仕上精度を調節することによって、鏡面仕上げ面までのニーズに対応できる