三島光産株式会社
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2021年 社長年頭所信

投稿日:2021年01月01日

2021年 社長年頭所信

生き残りをかけて、本気で変えよう! ~現地現物、スピード、本質、実行、成果~

明けましておめでとうございます。旧年中、社内外の皆様に頂いたご指導、ご協力に感謝申し上げます。

2020年の総括

 一昨年から続く減産傾向に加え、客先工場閉鎖計画もあり、2020年は厳しい年になることを覚悟しておりました。しかし世界を襲った新型コロナウイルス(以下コロナ)の影響は甚大で、3月以降、事業によっては一時生産が半分以下に減少。コロナ対策をはじめ、鉄鋼、自動車、半導体部門では緊急原価低減活動の実施、さらには減産の影響を受けた多くの皆様に臨時休業、組織を超えた応援をお願い致しました。ご協力いただきありがとうございました。自動車は秋口から生産量が戻り、半導体も回復傾向です。皆様方のご努力のおかげで、赤字を回避できました。

 反省すべき点は2点。1つ目は、経営の前提条件である安全面で質の悪い災害を再発させ、結果休業災害を5件も発生させたこと。大変申し訳なく残念であると同時に、危機感を強めています。2つ目は、まだまだ社内にロスコストが存在しており、削減、こだわりが十分でないこと。大きなコスト・生産性・歩留まり改善を実現出来た職場もございますが、全体としては、まだまだ質・量とも不十分です。

 それぞれの部門についてみていきます。

【工程請負部門】

 鉄鋼分野は大減産となり、対応に追われました。今後も従来比7割操業を覚悟しておかなければなりません。生産性の向上、生産量に応じた体制構築が急務です。また客先構造改革により、東京事業部とボード1成形ラインが閉鎖となりました。化学品分野は、上期は高生産が続き、新規受注も獲得できましたが、秋口より一転、減産です。各職場で職場応援、リードタイムや歩留まりについて提案・改善を実施。転記作業のシステム化なども継続実行し、製造の実力を向上させました。

【自社工場部門】

 モールド事業は将来を見据えて改善力が強い北九州地区に拠点を集約。めっき時間を大幅短縮させる新技術にも目途がつきました。しかし生産減は大きく、新商品開発と体制再構築が必須です。ロール製品については、高付加価値製品の取り込みを目指すも、コロナ影響で新設備納入が遅延。半導体事業は生産減の中、歩留まりや立上時間の過去最高を更新、トレーサビリティ(※1)、良品条件への即時反映を狙った画像検査装置の挑戦を継続。しかし、大幅な製品販売価格ダウンを受け、一層のコストダウンが必要な状況です。

※1 完成品がどんな経路をたどって出来ているのか、過程を明確にすること

【プラント/エンジニアリング部門】

 プラント部門は一昨年の反省を活かし、定修を見事に成功させました。顧客の幅も増やしています。エンジニアリング部門は、東京地区に拠点を構え九州、君津と連携して仕事を増やすも全体として十分な受注には至っておりません。内製化、現場作業の改善も進み、新しいデジタルソフトへの挑戦など、楽しみな種を蒔いておりますが、今後、コロナ禍で客先の投資減が見通され、受注確保が非常に重要です。

 どの部門もコロナ禍において苦しみながらも前進しようと尽力してくれていることに、あらためて感謝申し上げます。

2021年の経営方針

 一時期の大減産からは回復しておりますが、コロナの影響は当面続くことが予想されます。また、超高齢化、人口減により国内需要は厳しさを増していきます。輸出環境についてもコロナ影響や米中貿易摩擦により、地産地消・自国生産が加速し、中長期で増える見通しがつきません。製造業については、感染拡大前と比べて低位生産が続きそうです。お客様も追加の構造改革を行われます。わが社は減産時の対応に弱いことが露呈致しました。生産が7割でも赤字にしない体質を作る事、現場に精通している私たちが時流に合わせて仕事の質と実力をあげる事、お客様に付加価値のある提案を行う事、これらを行わなければ職場自体がなくなりかねないという危機感責任感をもち、成果を出していく必要があります。

 そのような認識のもと、今年の経営スローガンとして「生き残りをかけて、本気で変えよう!〜現地現物、スピード、本質、実行、成果〜」と致しました。昨年はコロナと生産減に翻弄されましたが、今年は変化に対応していきましょう。
愚直に積み上げてきた改善力、IoT(※2)等の道具をいち早く使いこなして圧倒的に生産性をあげる事、社内のロスを半減させる事、お客様に三島グループとして付加価値の高い提案を行う事、種を撒くだけでなく大きく芽吹かせる事にこだわります。覚悟を決めて、この荒波に真正面からぶつかっていき、乗り越えて参りましょう。

※2 Internet of things 身の回りのあらゆるものがインターネットに繋がる仕組み

以下の3点について、強くリードしていきます。

1. 安全・環境・保安防災・品質・コンプライアンスを事業の前提として

 特に安全については最優先で取り組んで参ります。現場で作業される方は自分自身、家族のためにもルールを必ず守り、仲間にも守らせましょう。生産変動が非常に大きく、現場は応援や多能工化が進み、日々同じリズムで仕事をしづらい状況です。ルールはあり、周知もされているが、現実は守りづらい状況・環境・仕組みがいまだに存在していないか。管理職も現場に行く頻度を増やし、現地現物で確認し、供に考えてやりづらい・守りづらい作業を解決すること。事後の100策より事前の1策としましょう。

2. ロスコストを半減させます

 半端工数、不良率(ノータッチ率・良品率)、不具合、やり直し、設備故障、段替え、手待ち時間、仕掛在庫の停滞、原材料、副資材などを理想の姿に近づけてロスをなくしていきたい。漸減していますが、これらを月単位、週単位の計画・管理から、日単位、時間単位までこだわってスピード、効果を上げたい。多能工化、デジタル化、システム化も同時並行で進め、高い製造実力を手に入れましょう。

3. お客様の課題解決、仕事量の確保

 100年に1度の変革期の中、お客様自体が違う次元の業務に力を注ごうとされており、私たちに求められる仕事の質が変わっています。従来通りではなく、技術の進化を取り入れて能動的に効率化、生産性向上を図り、自職場で互いに助け合える多能工化を行い、競合他社にできないレベルに挑戦していく必要があります。チーム三島として付加価値の高い提案を実現させ、全体の仕事量を確保して参りましょう。

結びに

 新型コロナという大きな試練が社会を襲い、様々な分断が起き、まだまだ困難な状況が続いていくと感じています。7割生産でも赤字を出さない。そのために生き残りをかけて変えていくことが沢山あり、亀のように手足を引っ込めて、いつかは量が戻るだろうと耐えているだけでは何も変わりません。我々は危機の真っただ中にいます。目を覚まし、今こそ蓄えてきた力を最大限に発揮して対応していく、変化を起こしていくチャンスです。大変な労力が必要ですが、皆の思いを結集させれば必ず乗り越えることができます。変えてはならない愚直さや誠実さ、チームワークは守り続けますが、時代に合わせて変えるべきところは変えて参りましょう。

 最後になりましたが、今年も皆さまと2025年に向けたビジョンに向け、私自身、先頭に立って取組みます。また、今年は次期中期経営計画を策定する年でもあります。明けない夜はありません。日々感謝を忘れず、ともに汗をかき、この難局を乗越え、家族や仲間に誇れる、お客様や社会に必要とされる会社にして参りましょう。

 この一年、皆様が健康で、実りある年とできますよう祈念致します。
 ご安全に!

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