【品質】クリーン環境づくりで品質向上
投稿日:2021年11月01日
活動の背景と目的
高機能フィルムの膜処理工程では、微小な異物の混入が製品品質に大きく影響します。しかし、クリーンルーム内で製造しているにもかかわらず、異物に起因する不良が全体の半数以上を占めており、良品率低下の要因となっていました。調査の結果、製品1本当たり平均8個程度の異物が発生しており、作業環境中の浮遊粒子数も高い状態で推移していました。そこで、異物発生の原因を設備・作業方法・清掃管理の観点から特定し、クリーン環境の改善と品質向上を目的に活動を進めました。
主な取り組み
- ウェブクリーナー(※)排気系統の清掃と捕集材設置
- 空調吸入口管理方法見直しによる粉じん飛散抑制
- 膜処理機養生シートの定期交換基準整備
- 清掃項目の標準化と点検チェックシート導入
※ウェブクリーナー:フィルムや金属箔などの表面に付着した微細な異物を除去し、製品品質の向上に貢献する設備
成果
- 室内浮遊粒子数が抑制された安定した作業環境
- 異物混入要因が減少したクリーンな製造状態
- 設備保守作業が定着した継続管理体制
- 品質管理と環境維持が連動した運用状態
今後の展望
今回の活動によって、異物発生は設備や作業そのものだけでなく、日常的な保守管理や清掃方法とも密接に関係していることが明確になりました。
今後は確立した点検基準や清掃チェックシートを継続運用するとともに、他の工程へも展開し、異物管理の標準化を進めていきます。
また、定期的な環境データの確認と改善サイクルを定着させることで、クリーン環境を維持しながらさらなる品質向上を目指します。
編集後記
今回の事例は、不良品そのものに着目するのではなく、製造環境の変化を数値で捉えながら原因を一つひとつ絞り込んでいった点が特徴的でした。
特に、設備の排気や空調管理、養生材の保守状況など、一見すると見過ごされがちな要素を丁寧に調査し、具体的な対策につなげていることが印象的です。
設備改善だけでなく、清掃基準の見直しや管理方法の標準化まで踏み込んだことで、品質維持を現場全員で支える仕組みづくりにつながった好事例です。